精神疾患でも「内科」が初診日になる?—双極性障害で障害基礎年金2級が決定したケース

精神疾患の障害年金をご相談いただく中で、
「区役所の窓口ではこう案内されたものの、後の審査結果とは異なった」
というケースは決して珍しくありません。制度が複雑で、状況によって見解が分かれることがあるためです。

今回はその一例として、
案内では「初診日は精神科」とされていたものの、
実際の審査では“内科が初診日”として認められ、
結果として 2級で受給に至ったケース
をご紹介します。


■ 「内科は初診日にならない」と案内された相談者

相談者は双極性障害と診断され、障害年金の請求を検討していました。
当初、区役所の窓口では次のような説明を受けたとのことです。

  • 「初診日は精神科になります」
  • 「内科の受診は初診日には当たりません」

ただ、この日付をそのまま初診日として扱うと、
納付要件を満たさなくなってしまうため、請求が成立しない状況でした。


■ 経過を丁寧に伺い、内科から症状が始まっていた可能性を検討

相談者から当時の体調や受診の流れを詳しく伺うと、精神科受診より前に

  • 不眠
  • 過眠
  • 食欲不振
  • 起立性のめまい
  • イライラ感

といった症状が続いていたことが分かりました。

これらは双極性障害の前駆症状としてみられることがある症状であり、
「内科受診時点で現在の精神疾患につながる症状が始まっていた可能性」
を慎重に検討する必要があると判断しました。

そのため、内科での受診状況等証明書を確認することが重要になりました。
(※障害年金制度では、関連する傷病に相当因果関係がある場合、前医の受診日が初診日になることがあります)


■ 受診状況等証明書には、当時の症状が記録されていた

相談者と必要な内容を整理したうえで、内科に受診状況等証明書を依頼しました。
取得した書類には、当時の状況として次のような記載がありました。

  • 食欲不振
  • 不眠・イライラ
  • 起立性めまい
  • 当時の処方(例:スルピリド、睡眠薬 など)

これにより、
内科での受診内容と、後の精神科での診断につながる症状の関連性が、資料上でも確認できました。


■ 病歴就労状況等申立書で「症状の流れ」をわかりやすく整理

次に重要になるのが、提出書類の中でも主要な審査資料の一つである
病歴就労状況等申立書です。

申立書では、

  • 内科受診時の症状
  • その後の生活や体調の変化
  • 精神症状が強くなった経過
  • 精神科へつながった理由
  • 診断後の治療状況

などを、時系列に沿って整理し、
症状が断続的ではなく、一連の流れとして続いていたことが分かるように記載しました。

これにより、提出資料全体として、
審査側が「どのタイミングで症状が始まったのか」をより正確に把握しやすくしました。


■ 審査結果:内科受診日が初診日となり、2級で決定

提出した資料の内容が総合的に評価され、
審査では 「初診日は内科受診日である」 と認定されました。

その結果、

  • 納付要件を満たす形になり
  • 障害基礎年金 2級 が決定

精神科の日付を初診日とした場合には納付要件が満たされなかったため、
初診日の位置づけの確認が、結果につながったケースとなりました。


■ この事例から分かること

精神疾患の障害年金では、次の点が結果に大きく関わります。

  • どの受診日を「初診日」とするのか
  • 症状がいつ・どこから始まっているのか
  • どの医療機関の資料を取り寄せるべきか
  • 病歴をどう整理し、時系列として伝えるか

今回のように、

  • 窓口案内と実際の審査結果が異なる
  • 内科 → 精神科へと受診科が変わっている
  • 症状の始まりと診断日が一致しない
  • 納付要件がギリギリ

といったケースは少なくありません。

同じような状況でお困りであれば、
まずはお気軽にご相談ください。

※本記事の事例は、個人が特定されないよう内容を調整しています。
障害年金の結果は、症状・資料・加入歴など個別の事情によって異なる場合があります。