納付要件を満たしていない場合

納付要件を満たしていない場合

障害年金を請求するためには納付要件を満たしている必要がありますが、納付要件を満たしていない場合もすぐに諦めるのではなく、初診日が変わる可能性がないかを探ってください。

納付要件

障害年金を受給するためには以下の(1)または(2)の納付要件を満たしている必要があります。

(1)初診日のある月の前々月までの3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

(2)初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

さらに、この納付要件は初診日の前日において満たしている必要があります。

例えば、ずっと国民年金保険料を払っていなかった人が、はじめて医療機関を受診した日の後に過去の国民年金保険料を納付しても、その分はカウントしませんので、納付要件を満たさないことになります。

納付要件を満たしていない場合の対処方法

納付要件を満たしていない場合、障害年金を請求出来ないのですが、その場合もすぐに諦めるのではなく、初診日が変更になる可能性がないかを探ってください。

初診日が変更になる可能性があるものとして以下の2つをあげてみます。

①初診日より前に他の医療機関を受診していないか

②社会的治癒の可能性を考慮する

①初診日より前に他の医療機関を受診していないか

初めて精神科を受診した日が初診日だと思っている方も、その前に内科等を受診している場合は、その内科の受診日が初診日になる可能性があります。

例えば、職場のストレスで不眠傾向にあり内科を受診した方が、その後も不眠傾向が改善せずに精神科を受診し、「うつ病」と診断された場合を考えてみます。

この場合は、不眠症とうつ病が一連の流れによるもので因果関係があるものとして、通常は内科受診日が初診日となります。

精神科を受診した日では納付要件を満たしていなくても、内科を受診した日で納付要件を満たしていれば、障害年金を請求できます。

②社会的治癒の可能性を考慮する

社会的治癒とは医学的には治癒していないものの、症状が消失し投薬治療も必要とせず、通常の社会生活がある程度の期間出来ていることをいいます。

ある程度の期間とは概ね5年程度が目安とされています。

この社会的治癒が認められた場合、症状が再発し、受診した日が初診日となります。

最初の初診日で納付要件を満たしていなくても、再発後の初診日で納付要件を満たしている場合は、障害年金を請求することができます。

最後に

簡単ですが、2つの例をあげました。

一般の方には難しく判断がつかない場合もあると思います。その場合は当事務所にご相談ください。