【双極性感情障害】障害厚生年金2級が決定(認定日請求も認められたケース)

障害年金の申請書類を整理するイメージ

精神疾患の障害年金では、診断名そのものよりも、日常生活や社会生活でどの程度の支援が必要かが重要になります。
今回ご相談いただいた方は、気分の落ち込みによる活動性の低下に加え、気分の波による衝動性や対人面の不安定さも重なり、生活の多くを家族の支援に頼らざるを得ない状況が続いていました。

本記事では、個人が特定されないよう内容を調整したうえで、受給につながったポイントをご紹介します。

ご相談者様の情報(モデルケース)

  • 属性:20代女性
  • 傷病名:双極性感情障害(当初は適応障害の診断名で治療開始)
  • 決定した年金:障害厚生年金2級
  • ご請求方法:認定日請求(遡及)

ご相談までの経緯

環境の変化をきっかけに抑うつ症状が出現

勤務形態の変化を伴う転職などをきっかけに生活リズムが崩れ、職場のストレスも重なって、抑うつ気分、意欲低下、強い倦怠感などが出現しました。

受診後も悪化し、休職→退職へ

医療機関を受診し治療を開始しましたが、症状は悪化し休職へ。復職が難しく、その後退職となりました。
退職後は臥床して過ごす日が増え、日常生活は家族の援助が不可欠な状態になっていきました。

その後、妊娠・出産など生活環境の変化を経て、育児負担やストレスも重なり、症状がさらに増悪していきました。

障害認定日頃の具体的な状況

この時期はほとんど活動できず、寝て過ごす日が多い状態でした。生活は家族に頼らざるを得ず、親族の支援も受けながら日々を過ごしていました。

日常生活の状況は、以下のように強い支障がみられていました。

  • 食事:自炊が困難で、家族が用意する食事や購入した食事に依存。栄養面を考えた選択が難しい
  • 清潔保持:入浴が負担でシャワー中心。体調不良時は清拭にとどまることもある
  • 家事:掃除・洗濯などは家族が担うことが多い
  • 整容・身だしなみ:服装選びや身だしなみを整えることが負担
  • 金銭管理:家族に依存。気分の波の影響で衝動的な購入につながりやすい面がある
  • 外出:単独では困難で、付き添いがある場合に限り短時間の外出が可能
  • 通院:送迎が必要。診察時に伝える内容を忘れやすく、事前メモで対応
  • 服薬:自己管理が難しく、飲み忘れなどが起こりやすい
  • 対人面:思考の整理や言語化が難しく、相手の発言も短時間で失念しやすい。気分の波によって対人関係に支障が出る

その後の経過:気分の波と衝動性が目立ち、双極性障害へ

次第に気分の波が強まり、いら立ちが増える、対人面の摩擦が起きやすい、衝動的な支出につながるなど、生活上の問題が目立つようになりました。経過を踏まえ、診断名が双極性感情障害へ変更されました。

その後も生活上の出来事(トラブル)などをきっかけに抑うつ症状が悪化し、臥床中心の生活が続きました。現在も通院治療を継続していますが改善は乏しく、食事の準備・掃除・洗濯など日常生活の多くを家族に依存している状況です。

当事務所のサポート内容

今回のポイントは、診断名の説明だけでなく、「日常生活で何に支援が必要か」が資料として伝わる形に整えることでした。

  • 医師への情報提供(生活実態が診断書へ反映されやすい形に整理)
  • 病歴・就労状況等申立書の作成サポート(頻度・支援者・支援がない場合の困難さまで整理)
  • 発症から現在までの経過を時系列で整理
  • 認定日頃/現在それぞれの生活状況(食事・清潔・家事・金銭・通院・服薬・対人)を具体化

結果:障害厚生年金2級が決定

審査の結果、障害厚生年金2級が決定しました。
※認定日請求についても認められました。

受給が決まったことで生活の見通しが立ちやすくなり、ご本人・ご家族ともに、治療と生活の立て直しに取り組みやすくなりました。

この事例から分かること

  • 双極性障害では、抑うつ症状だけでなく、気分の波(躁状態のいら立ち・衝動性/うつ状態の臥床)が生活にどう影響しているかを具体化することが重要
  • 「できないこと」だけでなく、支援がないと止まる生活動作(食事、通院、服薬、金銭管理など)を整理すると伝わりやすい
  • 認定日請求では、当時の状態を“点”ではなく、前後の経過を含めて整合的にまとめることで、生活実態がイメージされやすくなる

関連記事(内部リンク)