
障害年金を検討するときに知っておいてほしいこと
ご家族や支援している方の中には、
- 本人がつらそうなのに、どう声をかけていいか分からない
- お金の不安が大きいのに、どこから手をつけたらよいか見当がつかない
- 障害年金という言葉は聞くけれど、本人に勧めていいのか迷っている
そんな思いを抱えながら、このページを読んでくださっている方も多いのではないでしょうか。
私はこれまで、年金事務所で「年金の相談員」として、精神科病院で「精神保健福祉士」として、
ご本人だけでなく、ご家族や支援者の方からのご相談にも多く関わってきました。
その中で感じてきたのは、
本人だけでなく、「周りで支える人」もまた、不安や迷いを抱えている
ということです。
このページでは、ご家族・支援者の方が知っておくと安心な「障害年金の考え方」や、本人にどのように関わっていけばよいかのヒントをお伝えします。
1.ご家族・支援者の方が抱えやすい不安とは
ご家族や支援者の方からは、次のような声をよくお伺いします。
- 「このまま働けない状態が続いたら、生活はどうなってしまうのか」
- 「親(家族)が支えられる期間には限りがある。将来が心配」
- 「障害年金の話を出すと、本人を“障害者扱い”してしまう気がして言い出しにくい」
- 「制度のことを調べても難しくて、自分たちだけでは判断できない」
ご本人のつらさに寄り添いながら、同時に、生活や将来の不安も受け止め続けることは、大きな負担です。
中には、
「自分がもっとしっかりしていれば、こうはならなかったのではないか」
と、ご家族自身を責めてしまう方もいらっしゃいます。
まずお伝えしたいのは、
ご家族・支援者の方が不安や迷いを抱えるのは、決しておかしいことではない
ということです。
そのうえで、障害年金という制度が、ご本人だけでなく、ご家族・支援者の「心の負担」を軽くする一つの手段になることもあります。
2.障害年金は“依存を増やす制度”ではありません
ご家族の中には、
- 「障害年金を受け取ると、本人が働く意欲を失ってしまうのでは」
- 「生活保護のようなイメージがあって、できれば使わせたくない」
といった不安をお持ちの方もいらっしゃいます。
しかし、障害年金は本来、
病気や障害によって働くことが難しくなったときに、
生活の土台を支えるための“保険”のような制度
です。
精神疾患の場合は特に、
- 一時的に働くことから離れざるを得ない期間が長くなりやすい
- 収入が不安定になりやすい
- 治療や支援に時間がかかることが多い
といった特徴があります。
そのような中で、最低限の生活を支える収入があれば、
- 焦りから無理に働きすぎて、かえって状態を悪化させる
- お金の不安から治療を中断してしまう
といったリスクを減らすことができます。
つまり、障害年金は、
「働くか/働かないか」を決めるためのものではなく、
「治療・回復・その人らしい生活」の土台を整えるためのもの
と考えていただければと思います。
将来的に状態が落ち着いて、ご本人が「また働いてみよう」と思えるようになったときには、
働き方や年金との付き合い方を一緒に考えていくこともできます。
3.本人に障害年金の話を切り出すときのポイント
ご家族・支援者の方にとって、いちばん悩ましいのは「本人にどう切り出すか」かもしれません。
① まずは「心配している気持ち」を伝える
いきなり「障害年金を取りなさい」と言われると、
ご本人は「自分は見放されたのでは」「障害者として決めつけられた」と感じてしまうことがあります。
まずは、
- 体調や生活を心配していること
- 将来のことを一緒に考えたいと思っていること
を、責める言い方ではなく、静かに伝えてみてください。
「これからの生活のことが心配で、
私もどうしたらいいか分からなくて……一緒に考えられたらと思ってる」
といった言い方でも十分です。
② 障害年金=“サポートの選択肢”として提案する
障害年金を「レッテル」ではなく「選択肢」として伝えることも大切です。
「働けないからダメ、じゃなくて、
いまの状態で生活と治療を続けるために、
使える制度がないか一緒に探してみよう」
というように、「一緒に考える」姿勢で話すことがポイントです。
③ 本人がすぐに受け入れられなくても、時間をかける
障害年金の話をしたとき、すぐに前向きに受け入れられる方ばかりではありません。
- 「自分はそこまで悪くない」
- 「まだ頑張れるはずだ」
- 「障害という言葉に抵抗がある」
といった反応は、ごく自然なものです。
その場で結論を出そうとせず、
「すぐに決めなくていいから、こういう制度があることだけ覚えておいてほしい」
と伝え、少し時間を置きながら、何度か話題に触れられると良いかもしれません。
4.家族だけで決めすぎないために気をつけたいこと
ご家族・支援者の方はつい、
- 「自分たちが何とかしなければ」と抱え込みすぎてしまう
- 逆に「本人の問題だから」と距離を置きすぎてしまう
という両極端になりがちです。
① 「家族会議だけ」で決めてしまわない
障害年金の請求は、ご本人の人生に関わる大きなことです。
ご本人の状態によっては、ご家族が主に動く場合もありますが、
- 本人の気持ち
- 主治医の先生の見立て
- 支援者(相談支援、就労支援など)の意見
も含めて、いくつかの視点から考えた方が、結果的には納得のいく形になりやすいです。
「家族だけで全てを決める」のではなく、
「家族の不安や考えも踏まえたうえで、第三者の意見も聞いてみる」
というスタンスでいていただけるとよいと思います。
② ご家族・支援者自身も“相談していい立場”
ときどき、「本人のことを相談するのは悪いことのような気がする」とおっしゃる方がいます。
しかし、ご家族や支援者が限界まで頑張り続けてしまうと、支える側が倒れてしまうこともあります。
ご家族・支援者の方自身も、「相談していい立場」です。
当事務所では、ご本人と同席してのご相談はもちろん、
- 「本人にはまだ話せていないが、まずは家族として情報を知りたい」
- 「支援者として、障害年金をどう提案したらよいか知りたい」
といったご相談もお受けしています。
5.当事務所でご家族・支援者の方にできること
当事務所では、次のような形で、
ご家族・支援者の方からのご相談に対応しています。
◆ ご家族・支援者のみでのご相談
- 障害年金の制度の全体像のご説明
- 今の状態・経過をお伺いしたうえで、
「障害年金を検討してよい段階かどうか」の目安をお伝えします。 - 本人にどのように話を切り出すか、一緒に考えます。
※この段階では、必ずしも請求をおすすめするわけではありません。
状況によっては、「もう少し様子をみながら考えましょう」とお伝えすることもあります。
◆ ご本人とご家族・支援者が一緒のご相談
- ご本人のこれまでの経過や、現在の生活で困っていることを伺います。
- 障害年金の対象になり得るかどうかの「方向性」をお話しします。
- 必要に応じて、請求までの流れや、準備することを具体的にご説明します。
◆ 当事務所の業務範囲外となること
一方で、次のような内容は当事務所の専門外となります。
- 生活保護の申請の代理
- 借金・債務整理などの法律問題(弁護士の先生の分野です)
- 医療・治療内容そのものの判断(担当医の先生の分野です)
- 就職・転職あっせん、職場への具体的な交渉の代理 など
ご家族・支援者として、一歩踏み出してみようと思われた方へ
ご家族や支援者として、長いあいだ不安や迷いを抱えながら支えてこられたことと思います。
障害年金を含めた「今後の生活のこと」を考えるのは、ご本人にとっても、ご家族・支援者の方にとっても、決して簡単なことではありません。
もし今、
- 本人に障害年金の話を切り出すべきか迷っている
- 障害年金を検討してよい状態なのか、専門家の意見を聞きたい
- 家族だけで抱え込まずに、第三者の意見も踏まえて考えたい
と感じておられるなら、どうぞ一度ご相談ください。
年金と福祉の両方の視点から、ご本人・ご家族・支援者のそれぞれのお気持ちを伺いながら、
「今できること」と「これからできるかもしれないこと」
を一緒に整理していきたいと考えています。
お問い合わせは、下記のフォームまたはLINEからお気軽にご連絡ください。

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