働きながら障害年金はもらえる?精神疾患で審査される就労のポイント

このようなご相談はとても多いです。

生活のために無理をして働いているのに、そのことが障害年金で不利になるのではないかと思うと、不安になりますよね。

結論からいえば、働いていることだけで、すぐに不支給になるわけではありません。

精神の障害年金で見られるのは、単に「働いているかどうか」ではなく、どのような状態で働いているのかです。
つまり、自分の力だけで安定して働けているのか、それとも、職場の配慮や周囲の支えがあって何とか働けているのか、という実態が大切になります。

精神の障害年金では、就労していることだけで判断するのではなく、仕事の内容、働き方、職場での配慮、日常生活への影響まで含めて見られます。

この記事では、働いている方の障害年金で、就労についてどのような点が見られるのかをわかりやすく解説します。

働いているだけで不支給になるわけではありません

精神疾患の障害年金では、就労していることだけで「日常生活に問題がない」と判断されるわけではありません。

たとえば、毎日出勤していても、

  • 業務内容をかなり軽くしてもらっている
  • 周囲が何度もフォローしている
  • 欠勤や遅刻を繰り返している
  • 帰宅後は何もできず寝込んでしまう

といったことがあれば、表面的には働いていても、実際には大きな支障がある状態といえます。

そのため、障害年金では「就労している」という事実だけではなく、その就労がどのように成り立っているのかが重視されます。

また、一般企業で働いている場合でも、月収だけで一律に決まるわけではありません。
収入があるかどうかだけではなく、実際にどのような仕事を、どのような配慮のもとで行っているのかが大切です。

就労中の審査で見られる5つのポイント

1 どのような仕事をしているか

まず見られるのは、仕事の内容です。

たとえば、

  • 単純作業を担当している
  • 判断の必要な業務は外してもらっている
  • 対人対応の少ない仕事に変えてもらっている
  • 負担の少ない部署に配置転換してもらっている

このような場合は、働いていても、実際には業務にかなりの制限があることがわかります。

「働いている」という一言ではなく、どんな仕事ならできて、どんな仕事は難しいのかを具体的に伝えることが大切です。

2 安定して働けているか

次に重要なのが、就労の安定性です。

たとえば、

  • 欠勤や遅刻、早退が多い
  • 体調の波によって出勤が安定しない
  • 勤務時間や日数を減らしてもらっている
  • 長く勤めていても、実際はぎりぎりの状態で続けている

このような場合は、単に「仕事を続けている」と見るのではなく、無理を重ねながら何とか続けている状態として考える必要があります。

長く働いていること自体よりも、どのような状態で働き続けているのかが大切です。

3 職場でどのような配慮を受けているか

職場の配慮も大きなポイントです。

たとえば、

  • 指示を一つずつ出してもらっている
  • 上司や同僚が常に確認してくれている
  • 電話対応や接客を免除してもらっている
  • 休みやすいように配慮されている
  • ミスを防ぐためにダブルチェックを受けている

こうした配慮がある場合は、その配慮があって初めて仕事が成り立っている可能性があります。

一見すると普通に働いているように見えても、実際には周囲の支えが欠かせないことがあります。ここはとても重要です。

4 職場でのコミュニケーションに支障があるか

精神疾患では、仕事そのものよりも、職場でのやり取りに強い負担が出ることがあります。

たとえば、

  • 報告や相談がうまくできない
  • 相手の意図をくみ取るのに時間がかかる
  • 自分の考えをうまく伝えられない
  • 対人緊張が強く、同僚や上司との関わりが大きな負担になっている

こうした支障は、外からは見えにくいことがあります。
そのため、申立書では「人間関係が苦手です」とだけ書くのではなく、実際に職場でどのような困りごとが起きているのかまで具体的に書くことが大切です。

5 仕事の影響で私生活が崩れていないか

見落とされやすいのですが、仕事以外の時間の状態も重要です。

たとえば、

  • 仕事が終わると疲れ切って何もできない
  • 帰宅後は食事や入浴もできず寝込んでしまう
  • 休日はずっと横になって過ごしている
  • 家事を家族に支えてもらっている

このように、仕事に行くことで精一杯で、私生活が大きく崩れている場合もあります。

障害年金では、職場での様子だけでなく、仕事の反動で日常生活にどれほど支障が出ているかも大切です。

申立書で大切なのは「働けている」ではなく「どう働いているか」

就労中の方の申請で大切なのは、「働いています」とだけ書かないことです。

申立書では、少なくとも次の点を具体的に整理したいところです。

  • 勤務日数、勤務時間
  • 欠勤、遅刻、早退の頻度
  • どのような仕事をしているか
  • どのような仕事が難しいか
  • 職場で受けている配慮
  • 周囲とのコミュニケーション上の支障
  • 帰宅後や休日の状態
  • 家族の援助の有無

たとえば、

「週5日勤務しているが、遅刻や欠勤が多い。電話対応は免除されており、指示は一つずつ受けている。帰宅後は疲れ切って入浴や食事ができず、休日もほとんど寝て過ごしている」

このように書くと、単に「働いている」だけでは伝わらない実態が見えてきます。

診断書との整合性も重要です

就労中の申請では、病歴・就労状況等申立書だけでなく、診断書との整合性も大切です。

申立書で「職場でかなりの配慮が必要」と書いていても、診断書から就労上の支障がほとんど読み取れなければ、実態が伝わりにくくなります。
逆に、申立書だけが重すぎても不自然です。

大切なのは、実態を誇張せず、しかし軽くしすぎず、自然に伝わる形で整理することです。

まとめ

精神疾患の障害年金では、働いていることだけで不支給になるわけではありません。

大切なのは、

  • どのような仕事をしているか
  • 安定して働けているか
  • どのような配慮を受けているか
  • 職場でのやり取りにどのような支障があるか
  • 仕事の影響で私生活がどこまで崩れているか

という点です。