一人暮らしでも障害年金2級が認められる3つの重要ポイント

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こんにちは。精神疾患専門の社労士、治田です。
「一人暮らしだと、障害年金は不利になりますか?」 これは、私が日々の相談でよくお受けする質問の一つです。
確かに、一人暮らしという事実は「身の回りのことは一人でできる」とみなされ、不利に働く可能性があるのは事実です。
しかし、諦めるのはまだ早いです。 実は、国が定める「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」においても、一人暮らしの方の状況を具体的に考慮するよう明記されています。
ポイントを押さえてご自身の状況を正しく伝えれば、一人暮らしでも2級が認められる可能性は十分にあります。今回は、当事務所の実績から見えてきた3つの重要なポイントを解説します。
この記事では「一人暮らし」というケースに絞って解説しますが、障害年金制度の全体像や基本的な3つの要件について先に確認したい方は、まずこちらの総合案内ページをご覧ください。
ポイント1:日常生活の「実態」を具体的に示す
「一人暮らし=何でもできている」わけではないはずです。その「実態」を、審査官がイメージできるように具体的に伝えましょう。
- 食事の状況: 「調理をする気力が湧かず、コンビニのおにぎりやパンだけで済ませることがほとんどです。賞味期限が切れたものに気づかず食べてしまうこともあります。」
- 部屋の状態: 「掃除や片付けができず、部屋はゴミや脱いだ服で足の踏み場もありません。週に一度、見かねた母が来てくれて、最低限の片付けをしてくれています。」
- 金銭管理: 「公共料金の支払いを忘れてしまい、電気が止まってしまったことがあります。」
このように「できているように見えて、実は破綻している」という実態を、診断書や病歴・就労状況等申立書に具体的に記載することが重要です。
ポイント2:第三者の援助を受けている「事実」を伝える
一人で暮らしていても、誰かの助けがなければ生活が成り立たないという事実は、審査において非常に重要な情報です。「一人で頑張っている」とアピールするのではなく、正直に援助の状況を伝えましょう。
- 家族からの援助: 「近くに住む母が心配し、週に3回ほど食事の差し入れをしてくれています。」 「離れて暮らす父が、公共料金の支払いや役所の手続きを代行してくれています。」
- 公的・民間サービスの利用: 「週に2回、訪問介護ヘルパーに来てもらい、掃除や買い物を手伝ってもらっています。」
- 友人・知人からの援助: 「友人が毎朝、無事に起きられたか確認の電話をくれることになっています。」
これらの事実は、客観的に「一人での生活が困難である」ことの証明になります。
【ガイドラインの視点】
等級判定ガイドラインには、「独居であっても、日常的に家族等の援助や福祉サービスを受けることによって生活できている場合(現に家族等の援助や福祉サービスを受けていなくても、その必要がある状態の場合も含む)はそれらの支援の状況(または必要性)を踏まえて、2級の可能性を検討する」と明記されています。
つまり、ポイント1で挙げた「破綻している日常生活」を具体的に伝えることは、この「援助が必要な状態」であることを示すために、そしてポイント2で解説した「援助の事実」は「支援の状況」を示すために、それぞれ審査で極めて重要な要素となるのです。
ポイント3:「やむを得ず」一人暮らしをしている理由を説明する
これは多くの方が見落とされがちですが、極めて効果的なポイントです。 審査官が抱くかもしれない「これだけ大変なら、なぜ家族と暮らさないのだろう?」という素朴な疑問に、あらかじめ答えておくのです。
当事務所で実際に認められたケースでは、以下のような理由を申立書に記載しました。
- 家族との関係性が理由のケース: 「両親が私の病気に理解がなく、同居していた頃は毎日顔を合わせるたびに口論となり、かえって症状が悪化していました。自分の心身を守るため、やむを得ず一人暮らしを始めました。」
- 家族側の事情が理由のケース: 「実家の両親は共に高齢で介護が必要な状態のため、頼ることができず、私が帰ることも難しい状況です。」
このような「帰りたくても帰れない」「同居が治療の妨げになる」といったやむを得ない事情は、あなたの状況の深刻さを伝え、審査官の理解を得る上で大きな力となります。
【ガイドラインの視点】 これも単なるテクニックではありません。ガイドラインには「独居の場合は、その理由や独居になった時期を考慮する」と定められています。やむを得ない理由は、審査において正式に考慮されるべき項目なのです。
まとめ
一人暮らしでも障害年金2級を目指すために、押さえるべき3つのポイントを振り返りましょう。
- 生活の「見た目」ではなく「実態」を具体的に示す
- 家族やヘルパーなど、第三者からの「援助」を明確に伝える
- 同居できない「やむを得ない理由」を説明する
「一人暮らし」という事実だけで、結果が決まるわけではありません。あなたの本当の状況を正しく伝えることが何よりも大切です。
もし、ご自身の状況をどう伝えたら良いか分からない、書き方の整理がつかないとお悩みでしたら、一人で抱え込まずにご相談ください。あなたの状況を的確に反映した書類作成を、専門家としてサポートいたします。

障害年金請求代行ホープ | はるた社会保険労務士事務所
社会保険労務士として年金事務所で10年以上お客様対応をしてきた経験に加え、精神保健福祉士として精神科病院の勤務経験を持つ。
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この記事は、はるた社会保険労務士事務所 代表の治田茂浩が監修しました。事務所概要はこちらのページで紹介しています。https://syougai-seishinhoken.com/info/


